歯を動かすには装置を使用する必要がありますが、ワイヤー矯正は装置が固定式なため着脱の手間がかかりません。取り外し式のマウスピース型矯正は1日20時間以上装置を使うというルールがあり、食事中は装置を取り外す必要があります。時間を気にせずに食事を楽しみたいという方にはワイヤー矯正のほうが向いているでしょう。

「歯の高さを保ったまま真横に動かす」「歯を引き上げる」といった動きは、マウスピース型矯正にはできないワイヤー矯正ならではの動きです。歯を1本1本固定しているからこそできる動きであり微調整もしやすく、計画どおりにすすめられるため治療期間の延長につながりにくいというメリットがあります。

抜歯が必要な症例

抜歯をして作ったスペースをきれいに閉じるには、両側にある歯を高さを維持したまま真横に動かす必要があります。ワイヤー矯正はそれがスムーズにできる治療法で、治療期間の延長につながりにくく、歯の周囲にある組織へ無駄な負担をかける心配もありません。

噛み合わせに問題がある症例

噛み合わせを整えるには歯の位置や向き、高さなどを細かく調整する必要があります。マウスピース型矯正は微調整が得意なほうではなく、追加装置が必要になったり治療期間が予定よりも長引くケースが少なくありません。噛み合わせの問題があり、かつできるだけ早く治療を終わらせたい方はワイヤー矯正をご検討ください。

過蓋咬合

上顎の歯列が下顎の歯列を覆いすぎている状態を指します。奥歯の高さが不足していたり、上下顎のサイズが合っていなかったりすると過蓋咬合になりやすく、どちらのタイプでも表側矯正ならスムーズな治療が可能です。
ワイヤー矯正でも裏側矯正は、上顎の歯面に装置が貼り付けられない場合がありますので注意しましょう。