「歯並びは治したい。でも、あのギラギラした矯正装置は絶対につけたくない…」
人前に出るお仕事だったり、見た目への意識が高かったりする方ほど、そう強く思いますよね。
そして、「目立たない矯正」を調べていくうちに、マウスピース矯正と裏側矯正という2つの選択肢にたどり着いたのではないでしょうか。
どちらも矯正中の見た目のストレスを軽減してくれますが、どちらを選ぶべきか迷う方は非常に多いです。
装置が「見えにくい」のか「完全に見えない」のかという違いだけでなく、快適さ、食事のしやすさ、自己管理の必要性、費用など、比較すべき点はさまざま。
そこで本記事では、マウスピース矯正と裏側矯正のどちらを選ぶべきか迷っている方のために、さまざまな視点から比較・解説します。
そもそも“目立たない”矯正とは何を指すの？
「目立たない矯正」とは、装置が見えにくいという視覚的な側面だけではありません。
矯正していることに気づかれたくないという心理的な側面も関わっています。
たとえば、友人とおしゃべりしている時、笑った瞬間に口元をジッと見られて、ドキッとする…そんなストレスは誰もが避けたいはず。
装置自体が見えにくくても、ふとした瞬間に光がキラッと反射したり、
口元のシルエットが微妙に変わったりすることで、「何か付けてる？」と周囲に感づかれる可能性はあります。
また、「見られているかもしれない」という意識が過剰に働いてしまい、会話や食事の際に口元を手で隠すクセがついてしまう…なんてことも。
これでは、せっかく目立たない装置を選んだ意味が半減してしまいますよね。
目立ちにくい矯正装置を検討する際は、自分はどのレベルの“目立たなさ”を求めているのかを明確にしましょう。
絶対に誰にも気づかれたくないのか、それとも至近距離でよく見なければ分からないレベルで十分なのか。
この基準を最初に定めることが大切です。
【マウスピース矯正vs裏側矯正】どっちが目立ちにくい
目立ちにくいとされている矯正装置には、マウスピース矯正と裏側矯正があります。
ここでは、治療法の比較をしていきましょう。
マウスピース矯正（インビザライン等）の特徴
マウスピース矯正とは、薄い透明な樹脂（プラスチック）でできたマウスピースを定期的に交換しながら歯を動かしていく方法です。
マウスピース矯正の魅力は、なんといっても透明で目立ちにくい点にあります。
歯にぴったりとフィットするため、日常生活のなかで装着していても、
すぐ目の前で話すような距離感でなければ、矯正していることに気づかれることはほとんどありません。
そしてもう一つのメリットが、食事や歯磨きの際には自分で簡単に取り外せること。
友人とのランチで色の濃いカレーやパスタを食べる時も、さっと外してしまえば装置への着色を心配する必要は一切なし。
食後の歯磨きも装置がない状態で隅々まで丁寧にブラッシングできるので、ワイヤー矯正に比べて虫歯になるリスクを抑えることができます。
とはいえ、良いことばかりではありません。
マウスピース矯正は、1日に20～22時間以上という長時間の装着が推奨されています。
これを守れないと計画通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまう原因に。
「ちょっとだけなら…」と外している時間が長くなると、効果は大きく薄れてしまうのです。
透明性と着脱の自由さが武器ですが、その効果を引き出せるかどうかは、自己管理能力にかかっています。
裏側矯正（リンガル・舌側矯正）の特徴
次にご紹介するのは、裏側矯正です。「舌側矯正（ぜっそくきょうせい）」や「リンガル矯正」とも呼ばれます。
裏側矯正のメリットは、歯の裏側（舌側）に装置を取り付けるため、外からは全く見えないことです。
装置が完全に歯の裏側に隠れているため、思いっきり口を開けて笑っても、写真を撮られても、
誰かに矯正治療中だと気づかれる心配はまずありません。
人前に立つ機会の多いアナウンサーやモデル、接客業の方々から絶大な支持を得ています。
しかし、歯磨きにも少しコツが求められます。
装置の周りは食べかすが溜まりやすく、鏡でも直接見えにくいため、専用の小さな歯ブラシなどを使って丁寧に清掃する必要があります。
実際の「見えにくさ」と患者満足度
ここでは、見えやすさの違いと、実際に治療を終えた方々の満足度について掘り下げていきましょう。
結論から言うと、実際の見えやすさは状況によって異なり、患者さんの満足度も何を重視するかで大きく変わります。
「見えない」裏側矯正と「見えにくい」マウスピース矯正
まず、見え方について。裏側矯正は、どんな状況でも他人に装置が見えることはないため「見えない」と言えます。
一方のマウスピース矯正は「見えにくい」という表現が適切でしょう。
透明な装置は歯に馴染みますが、光の加減によっては表面がキラッと反射して見えたり、
歯を動かすために「アタッチメント」と呼ばれる小さな白い突起物を歯の表面につける場合、それが少し目立つことがあります。
気づかれやすさは「距離」によって変わる
1m以上離れた距離であれば、どちらの装置も気づかれることはほぼありません。
しかし、30cmほどの距離で対面して会話するような場面では、マウスピース矯正は鋭い人には気づかれる可能性がある、といったイメージです。
満足度を左右するポイント
患者さんの満足度は、「見えにくいか」だけで決まるわけではありません。
たとえば、「装置が絶対に見えないこと」を優先する方にとっては裏側矯正が適しているでしょう。
一方で、「食事や歯磨きの際に自分で取り外せる」や「通院頻度を抑えたい」といった点を重視する方には、マウスピース矯正が選ばれることも多いです。
このように、何を優先したいかによって満足度のポイントは変わってきます。
いいとこ取りも可能？併用・ハーフリンガルという選択
「裏側矯正の見えなさは魅力的だけど、費用が高いし、下の歯まで舌に当たるのは辛そう」
「マウスピースは、自分の歯並びだと対応が難しいかもしれない」このように、
どちらか一方の方法に決めきれない方のために、それぞれの長所を組み合わせた矯正方法もあります。
ハーフリンガル（裏側矯正＋表側矯正）
併用矯正の中でもよく選ばれる方法の一つに「ハーフリンガル」があります。
これは、上の歯を「裏側矯正（舌側矯正）」にし、下の歯を「表側矯正」にする組み合わせです。
下の歯は表側矯正でも、唇やによって比較的目立ちにくくなります。また、上下ともに裏側矯正だと総額140万円かかるところ、
ハーフリンガルにすることで120万円に抑えられる、といったメリットもあります。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の併用
治療の段階や部位によって、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせるケースもあります。
たとえば、まず表側矯正で大きく歯を動かし、最後の仕上げをマウスピースで行うといった方法です。
ただし、注意点も押さえておく必要があります。上下で異なる装置を管理したり、
治療段階で装置を切り替えたりするには、複雑な治療計画が求められます。
そのため、対応できる知識と技術を持ったクリニックが限られるのが実情です。
装置選びのチェックポイント
ここまで2つの治療法を比較してきました。以下のチェックリストで、ご自身の考えを整理してみてください。
| チェック項目 | マウスピース矯正向き | 裏側矯正向き |
| 見た目の優先度 | 少しなら見えてもOK | 誰にもバレたくない |
| 自己管理 | 毎日コツコツ管理できる | 面倒なことは避けたい |
| 食事・歯磨き | いつも通り楽しみたい | 多少の不便は我慢できる |
| 痛み・違和感 | 比較的少ない方がいい | 舌への違和感は覚悟の上 |
| 予算 | 費用をなるべく抑えたい | 高くても審美性を最優先 |
（※1）痛みの感じ方には個人差があります。
（※2）適応症例については、ご自身での判断は難しい部分です。近年はマウスピース矯正で対応できる範囲も広がっています。
これはあくまで一般的な目安として捉え、詳しくは歯科医師にご相談ください。
まとめ：自分に合った“目立たない”矯正を選ぶために
マウスピース矯正と裏側矯正は、どちらも矯正中の見た目のストレスを軽減できる治療法です。
透明で取り外し可能なマウスピース矯正は、食事や歯磨きがしやすく快適ですが、1日20時間以上の装着を守る自己管理が求められます。
一方、裏側矯正は外から見えないというメリットがありますが、費用が高額になりがちという側面があります。
このように、どちらか一方が優れているわけではありません。
「とにかく見た目を重視したい」のか、「生活のしやすさを優先したい」のか、ご自身の優先順位によって適した装置は変わってきます。
天神キュア矯正⻭科では矯正相談を随時実施しております。
それぞれの特徴を詳しくご説明しますので、装置に関するお悩みがあればお気軽にご相談ください。
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