こんにちは。天神歯科・矯正歯科です。
今回は少し前の話になるのですが、5月30日と6月1日に名古屋で受講しましたJet systemセミナーの話をしていきます。
Jet systemとは自由が丘矯正歯科クリニック(東京都世田谷区)の成田信一先生の考案したスピード矯正の方法です。
目次
Jet systemとは何か
これまで従来のやり方ですと矯正治療というのは2~3年かかるといわれていました。
成田先生の考案したJet systemは治療期間1年以内で、矯正治療を達成するという矯正歯科界覆す画期的かつ効率的な矯正方法です。
7月13日に東京有楽町で開催された東京矯正歯科学会学術大会でも成田先生はJet systemで治療した症例をご講演されていて、学術的にも認められた方法です。
Jet systemを取り入れるメリット
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- 治療期間の短縮
- 痛みが少ない
Jet systemが治療期間が短い理由
- 抜歯によるRAP(抜歯後の創傷治癒による代謝活性)を取り入れているため
- 抜歯後4か月のRAPの期間にリトラクションを進める
- RAPの期間が過ぎたら必要に応じてMOP(RAPの効果を発揮させるための外科処置)を進める
- ZERO step methodで進めるため、レベリング(ガタツキを整える)と同時にリトラクション(抜歯したスペースの閉鎖)も進むため治療期間が短い
Jet systemが痛みが少ない理由
- パッシブセルフライゲーションブラケット(結紮がいらない摩擦の少ないブラケット装置)を用いているためフリクション(摩擦)が少なく痛みが生じにくい
- coilでかける力も50~100gと弱い力で引くことが可能
Jet systemの従来のやり方との違い
従来のやり方だと
- ステップ1 レベリング
- ステップ2 犬歯遠心移動
- ステップ3 前歯の後方移動
- ステップ4 フィニッシング
これらを同時に進めていくのがゼロステップメソッド
RAPの効果の応用
人の身体では、組織が損傷すると、その組織の治癒能力を高める現象(RAP)が起こります。
歯列矯正治療では歯を並べるスペースを確保する方法の一つとして、抜歯が行われます。
従来の方法ではたわみの少ないステンレススチールワイヤーを用いて歯を移動させていたため、
RAPの効果が持続する期間内に歯を移動させることは非常に困難でした。
JET systemは、歯の移動を加速するRAPのトリガーとして抜歯を利用する歯列矯正治療法です。
RAPの効果が持続する抜歯後の約4か月間で歯の移動を終わらせることを目標として治療計画を立て、治療を行います。
治療にかかる期間も格段に短くなるだけではなく、JET system用に開発したブラケットを使用することで、
これまでよりも弱い矯正力で治療を行うため痛みが少なくなるという利点があります。
ゼロステップメソッド
JET systemは、抜歯により誘発されたRAPを活用し、治療期間を短縮する矯正治療法です。
従来のストレートワイヤーエッジワイズ法(4stepで順を追って治療を進める方法)を進化させた方法です。
JET systemではこれまでの4stepをなくし、歯が移動しやすいRAP期間にあわせて抜歯空隙を閉鎖しながら同時並行的に治療します。
そのため、1年程度で治療を終えることが可能となります。
治療期間の短縮
歯列矯正治療では、平均して治療が2~3年にわたることが一般的ですが、JET systemによる最も顕著な患者さんのメリットは治療期間の短縮です。
長期にわたる治療のストレスや生活の制約、ブラケットによる見た目への懸念、矯正装置の使用にともなう痛みや違和感等による不快感を短期間で終えることができます。
歯科医にとっても、患者さんのモチベーションを維持しやすくなり、治療効果や患者さんの満足度向上につなげることができます。
最後に
当院では、患者様によりよい医療を提供するために日々研鑽に努めています。
SNS等でセミナーや学会参加の報告をさせていただきますので、引き続き閲覧頂けると幸いです。
矯正治療を考えている患者様には、カウンセリングも行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。